TOTENWACHE Review

ドイツのブラックメタルバンド Totenwache の 1st『Der schwarze Hort』をレビュー。2019年リリース。

ドイツ ハンブルグの3人組メロディック・ブラックメタルバンド。歌詞、タイトルはドイツ語。全9曲56分。

Satanic Warmaster フォロワーと言い切って良いブラックメタルバンド。終始トレモロリフによるメロディが途切れず突っ走る聴きやすいアルバムである。突撃感や邪悪さなどは無く只管メロディに拘った作風となっている。

『Carelian Satanist Madness』期の Satanic Warmaster や Sargeist、Sarastus が好みなら嗜好品となるだろう。ボーカルの声や叫び方も Satanic Warmaster の Werewolf とよく似ている。個性は毛ほども無い。

音質は洗練されており綺麗すぎるくらい。少し薄っぺらい感じもあって曲の躍動感を削いでいるような気がしないでもない。その音質のせいか淡白に聴こえる部分もあるがメロディセンスはまあまあ。同郷の Halphas のような重厚な音だったら印象が大分違っただろうと思う。

聴きどころは哀愁メロディが炸裂する #2. "Urteil: Niedergang" と #9. "Gloria Antichristi"。特に後者は壮重で劇的なメロディ展開を持つ名曲。この水準の曲がもう何曲かあると反復に耐えられるのだが。

ドイツのブラックメタルバンド Totenwache の EP『Kriegswesen』をレビュー。2020年リリース。

4曲入り25分のEP。作風は前作 1st を路線を踏襲。抑揚に乏しく鈍臭い感じのあった前作『Der Schwarze Hort』よりメジャー感のあるそつのないメロディック・ブラックメタルとなっている。

ボーカルが Gorgoroth『Pentagram』系の兇悪さを増した歌声に変化したのが印象的。全体的に曲が小綺麗で優等生的な作品。量産型を抜け出すにはもう1工夫が欲しいところ。Slagmark によく似ている。

#4. "Vernichtung" は初期 Gorgoroth を思わせるネチっこい邪悪さたっぷりの良曲。個人的には大好物なのでこっちの路線でお願いしたい。