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BLASPHEMY Review

目次

  1. Fallen Angel Of Doom
  2. Gods Of War + Blood Upon The Altar

Fallen Angel Of Doom

BLASPHEMY - Fallen Angel Of Doom
  1. Winds of the Black Godz (Intro)
  2. Fallen Angel of Doom
  3. Hording of Evil Vengeance
  4. Darkness Prevails
  5. Desecration
  6. Ritual
  7. Weltering in Blood
  8. Demoniac
  9. Goddess of Perversity
  10. The Desolate One (Outro)

カナダのブラックメタルバンド Blasphemy の 1st『Fallen Angel of Doom』をレビュー。1990年リリース。

ウォー・ブラックメタルと呼ばれるブラックメタルの異端流派の始祖バンド。とてつもなく冒涜的。ひたすら雪崩のようなブラストと地の底を這う苛烈なリフで聴き手を圧倒する暴虐作品である。当時のあらゆる激烈音がごった煮にされてドロドロのまま蠢く極北の音が聴ける。

前作デモ『Blood upon the Altar』はゴリゴリしたスラッシュメタルっぽさのある内容でキャッチーですらあったが本作では完全に異世界の扉を開いて "捧げて" しまっている。

ここにあるのは全てを殲滅しつくすかのような破壊衝動のみ。もはやブラストパートは何をやっているか殆ど聴き取り不可能。何かよくわからんけど、これはすげぇと思わされる威圧感を持っている。

通常のブラックメタル愛好家には受入れ辛い音だろう。筆者は先に Beherit や Impaled Nazarene『Tol Cormpt Norz Norz Norz』、 Demoncy『Joined In Darkness』、Incantation『Onward To Golgotha』などの他の異端作品を聴いていたので少し耐性ができていて助かった。何度聴いても未だ慣れない圧倒的な暴虐さである。

これほど聴き手と聴く機会を選ぶ音源はない。しかし何の因果か時折CDラックから取り出して聴いてしまう。たとえ売っても何時しかCDラックに戻っていそうで怖くて売れない "覇王の卵" 音源。きっと筆者が真の所有者でなければ自然と離れていくだろう。

後半がなんとなく聴き易くなって好み。#6. "Ritual"、#7. "Weltering In Blood"、音が幾分クリアになる #9. "Goddess Of Perversity" あたりがカッコ良い。

Gods Of War + Blood Upon The Altar

BLASPHEMY - Gods Of War + Blood Upon The Altar
  1. Intro: Elders of the Apocalypse / Blood upon the Altar
  2. Blasphemous Attack
  3. Gods of War
  4. Intro / Atomic Nuclear Desolation
  5. Nocturnal Slayer
  6. Emperor of the Black Abyss
  7. Intro / Blasphemy
  8. Intro / Necrosadist
  9. War Command
  10. Empty Chalice
  11. Ross Bay Intro
  12. War Command
  13. Demoniac
  14. Intro
  15. Weltering in Blood
  16. Ritual
  17. Nocturnal Slayer
  18. Blasphemy
  19. Intro / Blasphemous Attack / Guitar Effect Outro

アメリカのウォー・ブラックメタルバンド Blasphemy の 2nd『Gods of War』をレビュー。1993年リリース。

レビューするのは2016年の Osmose Productions デジパック再発盤。1989年デモ『Blood upon the Altar』がカップリングされている。

Gods Of War

音質がややカッチリした 2nd フルアルバム。やっている事は 1st『Fallen Angel Of Doom』から殆ど変わっていない。

細かいところを聴き取れるようになったのは大きい。こんなにカッコ良かったのかと気付かされる向きもあるだろう。途轍もない暴虐性は相変わらずだが幾分か聴きやすくなった。

曲作りの方はちょっと雑。だが音質がクリアになったため本作はより直接的に暴虐音が牙を剥く。

聴き手を混沌にブッ込むような 1st では味わう暇すらなかったリフのカッコ良さが際立っていて素晴らしい。筆者はウォー・ブラックメタルの名盤とされる 1st よりも本作を好む。

Blood Upon The Altar

89年リリースの名作デモ。

バリバリとした音感の骨ごと噛み砕く様な獰猛すぎるスラッシュリフによる怒涛の畳み掛けが凄まじい破壊力。音質も申し分ない。ブラックメタルというよりスラッシュメタル、デスメタルに近しい作品。

"男塾名物 直進行軍" ばりにひたすら直進。猛烈な音で押しまくるカッコ良すぎる作品。『Fallen Angel Of Doom』はダメでも本作はイケるという方も多いはず。必聴!

目次

  1. Fallen Angel Of Doom
  2. Gods Of War + Blood Upon The Altar