BEHEMOTH - Grom
ポーランドのブラックメタルバンド Behemoth の2nd『Grom』をレビュー
![BEHEMOTH - Grom](/img/article/behemoth_grom.jpg)
BEHEMOTH - Grom 収録曲
- Intro
- The Dark Forest (Cast Me Your Spell)
- Spellcraft and Heathendom
- Dragon's Lair (Cosmic Flames and Four Barbaric Seasons)
- Lasy Pomorza
- Rising Proudly Towards the Sky
- Thou Shalt Forever Win
- Grom
BEHEMOTH - Grom REVIEW
Behemoth の2ndフルアルバム『Grom』をレビュー。1996年リリース。レビューするのは Metal Mind Productions からの2005年再発盤(metallum)。
幽かにメロディックなリフを土台にシンセサイザーやアコースティックギターを使用した劇的なブラックメタルという 1st『Sventevith (Storming Near the Baltic)』 の作風はそのまま。実験的な要素(女性ボーカル、Nergal の様々な歌唱法の試行、急な曲展開など)が目立つアルバムになっている。
音質は前EP『And The Forests Dream Eternally』同様整っており 1st にあった荒々しさはほぼ無い。強靭で分厚い音になったためか靄がかったような神秘的な雰囲気が減っているのが残念。
2曲の歌詞がポーランド語(Nergal作詞)。歌唱面で実験的な試みが多いアルバムだがブラックメタルとのバランスは絶妙。ブラックメタルらしい邪悪さや攻撃性などを損なうことなく異質な要素が組み込まれており、古代スラブ文化・ペイガニズムの雰囲気演出の一翼を担っている。"Pomerania" という語が多見される事から Nergal の故郷でもある彼の地の文化がテーマと思われる。
詠唱する Nergal の歌い回しは Mayhem の Attila Csihar を意識しているのが窺えて微笑ましい。6曲目 "Rising Proudly Towards the Sky" なんてモロ(曲も Mayhem の1st路線のストレートなブラックメタル曲)。
これも名作。だがブラックメタルバンドとしての Behemoth はここまで。この後徐々にデスメタル化するに連れ筆者は聴かなくなっていく。
BEHEMOTH - Grom CD情報
- Polish Black Metal
- 1996年1月2日リリース
- Metal Mind Productions
- metal-archives.com
BEHEMOTH - Grom メンバー
- Nergal
- Guitars, Vocals
- Les
- Bass
- Baal Ravenlock
- Drums, Vocals (backing)