POSSESSED Review
Seven Churches
![POSSESSED - Seven Churches](/img/article/possessed_seven-churches.jpg)
- The Exorcist
- Pentagram
- Burning in Hell
- Evil Warriors
- Seven Churches
- Satan's Curse
- Holy Hell
- Twisted Minds
- Fallen Angel
- Death Metal
アメリカのスラッシュメタルバンド Possessed の 1st『Seven Churches』をレビュー。1985年リリース。
サンフランシスコ出身の4人組スラッシュメタルバンドの 1st フルアルバム。後のデスメタル、ブラックメタルへの影響は大きく元祖デスメタルとも称されている。
悪魔的で邪悪なスラッシュメタルという所は Slayer と共通する部分。生々しいギターサウンドと獰猛なボーカルが崩壊寸前の危ういリズムの上で荒れ狂う。この崖っぷちの緊張感は演奏力に秀でた Slayer にはない独特なもの。この緊張感こそがこの作品の魅力である。
あさっての方向へ吼えているかのようなボーカルと不気味に上下する単音フレーズは Death や Morbid Angel など初期デスメタルバンドが参考にしただろうなと思う。当時からすると相当変態的なギターワークだったろう。
"The Exorcist", "Seven Churches", "Satan's Curse", "Death Metal" など名リフの宝庫。80年代スラッシュメタルの名作の1枚。
Beyond The Gates / The Eyes Of Horror
![POSSESSED - Beyond The Gates / The Eyes Of Horror](/img/article/possessed_beyond-the-gates.jpg)
- The Heretic
- Tribulation
- March to Die
- Phantasm
- No Will to Live
- Beyond the Gates
- The Beasts of the Apocalypse
- Seance
- Restless Dead
- Dog Fight
- Confessions
- My Belief
- The Eyes of Horror
- Swing of the Axe
- Storm in My Mind
アメリカのスラッシュメタルバンド Possessed の 2nd『Beyond the Gates』をレビュー。1986年リリース。レビューするのは翌年リリースのEP『The Eyes of Horror』を含む再発盤。
音楽性は 1st『Seven Churches』と同様。引っかかりのある奇天烈なリフを武器に暴れまくるスラッシュメタル。疾走度は前作よりも高いくらい。Mike Torrao と Larry LaLonde のギターワークがより派手になってギター巧者っぷりを見せつけてくれる。
問題はあまりに綺麗になりすぎた音質。整いすぎた音像が前作『Seven Churches』にあった馬鹿馬鹿しいまでの迫力を削ぎ落としてしまった。不明瞭な部分が醸し出す禍々しさが魅力だっただけに残念。
但し凡庸なスラッシュメタルバンドになったわけではない。変態リフと面妖ボーカルが醸成する世界観は異様なもの。前作とは異なる性質のスラッシュメタルが楽しめる作品となっている。
正直、前作の方が断然好み。然りとて此の独特の世界観には是非も無い。ギターリフの気持ち悪さが尋常じゃあない。
Revelations Of Oblivion
![POSSESSED - Revelations Of Oblivion](/img/article/possessed_revelations-of-oblivion.jpg)
- Chant of Oblivion
- No More Room in Hell
- Dominion
- Damned
- Demon
- Abandoned
- Shadowcult
- Omen
- Ritual
- The Word
- Graven
- Temple of Samael
アメリカのスラッシュメタルバンド Possessed の 3rd『Revelations of Oblivion』をレビュー。2019年リリース。
33年ぶりの復活作。伝説のバンドの復活とかそういう事は抜きにしても単純にカッコ良いリフが満載の痛快なスラッシュメタルアルバムである。これは胸がすく。
ギターリフの気持ち悪く不気味な響きは Possessed 以外の何物でもない。Jeff Becerra のボーカルも当時と変わらない。オリジナルメンバーは Jeff Becerra のみ。彼のみでよくここまで Possessed らしさを再現できたなと驚く。
さすがに音質、演奏ともに現代的になっている。正確で小気味良い程にカチッとしたリズムには往年の姿を求める方は戸惑うかもしれない。さすがに 1st『Seven Churches』の危うさは狙って再現できるものでもないだろうしメンバーが目指すものでもないだろう。
過去の邪悪さはそのままに安定した演奏により疾走感とダイナミックさを増幅させた感じ。とにかくリフが抜群に良い。これすごく大事。演奏陣は相当な手練れ。ギターリフも良いがギタリスト2人それぞれのギターソロも熱い。
理想的な復活作。こういった復活作にはガッカリさせられることも多いがこれは素晴らしい。少し曲数が多くて長い気もするが疾走曲メインで小細工なしに勝負している所に好感が持てる。過去作のファンは勿論、スラッシュメタル好きなら失望させられることはないだろう。