NOCTURNAL DEPARTURE Review
Cathartic Black Rituals
- The Incantation (Intro)
- Dismal Existense
- Ritualistic Vomit
- Astral Transcendence
- Mental Abyss
- Ethereal Enlightenment
- Cathartic Black Rituals
- Monolithic Decay
- Morbid Existence
- Insidious Strangulation
カナダのブラックメタルバンド Nocturnal Departure の 1st『Cathartic Black Rituals』をレビュー。2019年リリース。
カナダの3人組ブラックメタルバンド。ズルズルした病的な響きを伴うリフでグイグイ押してくるデスメタルやハードコアな質感も強いブラックメタル。
ブラックメタル、デスメタル、ハードコアを行き交うリフは多様だが作りは非常に簡素。曲構成もわかりやすい。3〜4分台にまとめられた曲は邪悪さに溢れる内容ながら非常に聴きやすい。
時折、Inquisition や Asagraum のような不吉な音使いのアルペジオで邪術的な雰囲気を擦り込んでくるのも薄気味悪くて心地よい。
#6. "Ethereal Enlightenment" の出だしはモロにInquisition。ボーカルの多彩さも注目に値する。疾走曲が多いが決して速度で押してくるタイプではない。適度な速度、適度な長さで良い曲をじっくりと聴かせてくれる好盤。これはオススメ。
Worm Moon Offerings
- Embodiment of Hatred and Suffering
- Unholy Conspirators (One with the Goat)
- Worm Moon Offerings
- Ancient Mantras
- Malignant Faith
- Twilight Magnificence
カナダのブラックメタルバンド Nocturnal Departure の 2nd『Worm Moon Offerings』をレビュー。2020年リリース。
剛柔併せ持つ音楽性の前作『Cathartic Black Rituals』が素晴らしかった。本作も期待して聴き始めたが前作とは印象がまるで異なる。何が起きたか本作では残響激しい地下潜伏音で気味の悪いブラックメタルを鳴らしている。
よく聴けば前作同様にコンパクトで多彩なリフで組み立てられている。引っ込んだ音質故に強靭さは感じなくなったが音楽的には変わっていない。反響する死霊系ボーカルと呪術的雰囲気の音で不気味さが強調された作風。前作とは別バンドとして相対した方が無難。
曲の良さで衝撃を残した前作に対して作品全体の世界観で勝負に出た印象だ。6曲27分とあっさりしたものだが実際の長さ以上に聴き疲れた。