FIAT NOCTUM Review
Från Forna Minnen
![FIAT NOCTUM - Från Forna Minnen](/img/article/fiat-noctum_fran-forna-minnen.jpg)
- Ett vintrarike fött
- Där skymning råder
- Lida
- Visdom av mörkrets arv
- As the Deathvoid Speaks
- Of Human Flesh and Devils Blood
スウェーデンのブラックメタルバンド Fiat Noctum の 1st『Från forna minnen』をレビュー。2019年リリース。
Fiat Noctum はスウェーデンの2人組プリミティブ・ブラックメタルバンド。コープスペイントが怖い(metallum)。この作品は1996〜97年に書かれて日の目を見ることがなかった曲を2019年に再録音、再マスタリングしてリリースしたもの。
事前情報なく初めて聴いた時には90年代ブラックメタルの掘り起こしかなと思った。2019年作ということで驚いたのは保存状態がメチャクチャ良いため。初期北欧ブラックメタルの得も言われぬ如何わしい空気が冷凍保存されていたかの如く蘇っている。しかも全く古臭い音ではない。本当に再録音したのか疑いたくなる程。
音楽性はメロウなリフを爆走させて荒漠とした世界観を描くプリミティブなスタイル。リフが若干甘口なメロディを伴う場面があって今の耳で聴くとフィンランド産バンドを想わせるかもしれない。基本から逸れるものではないため個性は無いが『Pure Holocaust』期の Immortal を想わせる作風は純粋にカッコ良い。地味にジワジワくるメロディに懐かしいバンドを思い出した。それは Thy Primordial。太古の時代に回顧の念を催させる作品である。
いまさら墓暴きをした経緯は知らないが『Från forna minnen』のような良作が歴史に埋もれたままにならずにすんだのは喜ばしい。再始動の狼煙となる作品だと思うのでバンドの今後に期待。