MALUS VOTUM Review

アメリカのブラックメタルバンド Malus Votum の 1st『Tradition』をレビュー。2020年リリース。

退廃感漂うメロディックなブラックメタル。雑然とした音像や勇壮なメロディ、宗教的な世界観は Délétère を思わせる音楽性。

霧の向こうから聴こえてくるようなモヤ〜っとした音像は好き嫌いが分かれるかもしれない。Sargeist『Feeding The Crawling Shadows』がもっと奥まったような音でメロディが聴き取りづらく集中して聴く事が要求される。エコーはもう少し控えめでおねしゃす！

4曲33分。曲は長尺。トレモロによるメロディはベタなものが多い気がするが曲はいずれもドラマ性が高い。モヤ音質を活かしたアンビエント風の暗さの演出や生霊のようなボーカルはアクが強い。フランスやケベックのメロディック・ブラックメタル愛好家は要注目。