IV V I IV Review
Endless Morbidity
![IV V I IV - Endless Morbidity](/img/article/iv-v-i-iv_endless-morbidity.jpg)
- Omen & Prophecy
- A Bed for Eternal Sleep
- Wirid Mati Raga
マレーシアのブラックメタルバンド IV V I IV の2016年EP『Endless Morbidity』をレビュー。3曲入り。この音源はBandcamp - IV V I IV Endless Morbidityから無料でダウンロードができる。
バンド名の "4 5 1 4" は アルファベット順で "D E A D" を意味するとか。
音楽性は若干のデプレッシブさのある至ってまともなブラックメタル。メロディの鬱さ加減は中々のもの。音質も良い。正直マレーシア産という事で舐めて聴き始めましたが予想以上の出来。謝罪と賠償をさせていただきます。
Hening Kelam
![IV V I IV - Hening Kelam](/img/article/iv-v-i-iv_hening-kelam.jpg)
- Subhi (intro)
- Graveyard Romanticism
- A Night of Ghastly Moon
- Akal Tersangsi Metafizik
- Hancur Badan Dikandung Tanah
- Will You Share This Suffering?
- The Inferi
- Hening.. Kelam..
- Sri Gumum
- Terbungkam Lisanku
マレーシアのブラックメタルバンド IV V I IV の1stフルアルバム『Hening..Kelam』をレビュー。アルバムタイトルは "闇の静けさ" という意味。
前作EP『Endless Morbidity』の延長線上の作風。音質の面で『Endless Morbidity』は素人臭さを感じさせたが、今作では大きく改善されている。
疾走パートが多めながらも、気怠い雰囲気を漂わせたメロディによくある鬱系とは違った印象を受ける。これがマレーシア産ならではなのか興味が湧く所。
前EPでも垣間見せていたメロディの良さが奥行きのある音質でより際立つようになった。今作ではトレモロギターだけでなく単音リードメロディでも美しい調べが聴ける。
気怠く揺蕩うような雰囲気の #6. "Will You Share This Suffering"。儚いギターメロディが Amorphis の『Tales from the Thousand Lakes』を想い出させる #2. "Graveyard Romanticism" や #9 "Sri Gumum"。荒涼としたメロディでスケール感を醸す #10. "Terbungkam Lisanku" がお気に入り。
敢えてマイナス点をあげれば、10曲53分はやや長く感じる。後半の曲が出色なので聴後の気分は良かったが、もう少し曲を絞っていたらより好印象だったろう。
Kabus
![IV V I IV - Kabus](/img/article/iv-v-i-iv_kabus.jpg)
- A Curse
- When Dawn Draws Near
- The Coffin Spirit
- Kabus
- Raven Soul
- Through the Illusion of Dead
- Ruh
- No Memories from the Grave
IV V I IV の2nd『kabus』をレビュー。2019年リリース。ベースが新しいメンバーに変わっている。
音楽性に大きな変化はなし。これまで以上に爆走パートが多くアグレッシブに進化。と同時にそこから急降下するかのようにスローパートに突入する落差の激しい曲展開が目立つ。メロディの良さと厭世的な雰囲気を引き継ぎつつも過激化した印象。
乾いた音質だった前作から一転、今作では湿り気を帯びた音に変化。ちょっとエコーが効き過ぎな感じもするものの攻撃性を損なうような事にはなっていないし、よりこのバンドの音楽性に合っている。
前作に感じた間延びした部分が無くなり非常に聴きやすくなった。しつこ過ぎるリフの繰り返しが無いバンドでもあるので、デプレッシブ・ブラックメタルの入門盤としてもオススメできる作品だと思う。
ドラマティックな曲展開を聴かせるタイトルトラックの5曲目 "Kabus"。アグレッシブな中にも哀愁さの滲みでる7曲目 "Ruh" がお気に入り。