HELLERUIN Review

オランダのブラックメタルバンド Helleruin の 1st『War upon Man』をレビュー。2021年リリース。

オランダの一人メロディック・ブラックメタルバンドのデビュー作。Sargeist と Taake、Naglfar 辺りの中間を行くような鯔背な音楽性。昨今多い小綺麗でメロディアスなだけのバンド群とは違う禍々しさを纏った古風なブラックメタル。

頭からケツまで哀愁メロディが炸裂する #2. "No Elegance / Entrenchment" はメロディック・ブラックメタル愛好家が3日くらい眠れなくなりそうな曲。だが露骨にメロディアスなのはこの曲くらいで基本的には寒々しいリフを血気盛んに鳴らして攻める作風。

複数段構成で11分を越す #2 もそうだが、どの曲も曲変化が多彩でドラマ性高くじっくり聴かせてくれる。潔いジャケットにも痺れた。魔性と儚さ、抒情性が綯い交ぜになった古典の香りのする逸品。かなりの有望株。