SINIRA Review
The Everlorn
- Where Starlight Does Not Shine
- Gardens of Pestilence
- The Everlorn
- Souls of the Flame
- Tear Ladened Skies
- Our Final Nightfall
- Dawnless Twilight
- Omega XI
アメリカのブラックメタルバンド Sinira の 1st『The Everlorn』をレビュー。2020年リリース。
テキサスの1人メロディック・ブラックメタルバンド。これは胸の高鳴りが止まらない逸品である。一聴して誰もが Dissection を思い出す音楽性で再現度はかなり高い。特に前半曲は確信犯的。メロディ使いも曲の構成も意図的に真似たんじゃないかと思うくらいのパク...じゃなくて、Dissection への憧憬が窺える。
摸倣作には違いないがこのアルバムは名作である。確かに「これはあの曲、ここはあの曲」といちいち指摘することはできるがそんな事は益体もない。とにかく曲が素晴らしくて聴き惚れてしまう。土台が Dissection の最初の2枚なので劇的な構築美になるのは必然。全ブラックメタルファンにオススメできる作品。開始30秒で猪木ポーズものの高揚感が得られる。
Dissection ほど冷気と緊張感が漲っている音ではないが、その分だけ包容力を感じさせるアトモスフェリックな部分がある。初心者には本家よりもとっつきやすいだろう。『The Somberlain』よりは『Storm of the Light's Bane』に近い作風。メロディも◎。