KJELD Review
Skym
- Tûzen sinnen
- Skym
- Gerlofs Donia
- Gjin ferjouwing
- Ús grûn
- Bonifatius
- Baduhenna
- Brek en brân
- Ivich libben
- Stoarm
- Bern fan Freya
オランダのブラックメタルバンド Kjeld の 1th『Skym』をレビュー。2015年リリース。
フリースラントの5人組ブラックメタルバンド。歌詞にはフリジア語を使用。荒涼感と厳しさを纏い疾走する Dark Funeral 型のブラックメタル。昔ながらの作りで勝負する本格派で Halphas を思わせる。
メロディははっきりしているが甘口になることはなく曲全体は常に厳粛な雰囲気を漂わす。えぐみのある激走部分は Belphegor のようだし、所々でシンフォニックな味付けもあり。後半に行くに従って叙情性が増していき最後2曲は8分越え。長尺曲も爆走しつつも聴かせ処をしっとりと聴かせる。
特に #6. "Bonifatius" と #11. "Bern fan Freya" は出色。真新しさは皆無だが曲の良さで真っ向勝負できる。オランダの藤川球児とこっそり呼びたい個人的にかなりツボなバンド。
ôfstân
- Betsjoend
- De iensume widner
- Wylde rixt
- Ôfstân
- Asbran
- Wite fokel
- Falske doop
- Skaad
- Konfrontaasje
オランダのブラックメタルバンド Kjeld の 2nd『Ôfstân』をレビュー。2021年リリース。
深淵な音世界を描くようになった 2nd フルアルバム。荒々しいリフを掻き鳴らすメロディック・ブラックメタルは前作と同じ。スロー〜ミドルテンポの比重が増してアトモスフェリック・ブラックメタルに寄った感じ。雄大で深い世界に誘うような作風に変化している。
厚みの増したリフの音のウネりが非常に激しい。要所で聴ける宗教的な雰囲気は初期の Deathspell Omega を思わせる。ボーカルは落ち着きを得た歌唱に変化。濁声ながら要所でメロディをなぞる。
前作のぶっ放した攻撃性は希薄になったがメロディの良さがより光る。じっくりと浸ることのできる作風へと進化した印象。2作目にして早くも貫禄を感じさせるスケールの大きさ。