FEAR FACTORY Review
Concrete
- Big God / Raped Souls
- Arise Above Opression
- Concrete
- Crisis
- Escape Confusion
- Sangre de Niños
- Soulwomb
- Echoes of Innocence
- Dragged Down by the Weight of Existence
- Deception
- Desecrate
- Suffer Age
- Anxiety
- Self Immolation
- Piss Christ
- Ulceration
アメリカのデスメタル・インダストリアルメタルバンド Fear Factory の『Concrete』をレビュー。この作品は1991年にレコーディング、1st フルアルバムになる予定だったがお蔵入りとなったもの。正式リリースは2002年。多くの曲が後のアルバムに再収録されている。
近未来的世界観と無機質な冷徹さを押し出した独自の音楽性で90年代に新世代メタルの雄として活躍する Fear Factory。知っている作品の範囲で言うが筆者はこのバンドをデジタル/インダストリアルな感覚はあるが、あくまでデスメタルやスラッシュメタルバンドとして聴いている。
この『Concrete』での音楽性はデスメタル/グラインドコア寄り。後に重要な要素となる浮遊感を伴うクリーンボーカルもごく一部であるが使用されている。ここで聴ける音像は以降の作品のような機械的なものではなく非常に生々しく獰猛。血の通った攻撃性を発散している。
ミドルテンポが中心の重苦しさとBurton C. Bell の強烈なデスボイスが凄まじい圧殺感を感じさせる。グルービーなリフからブラストビートが炸裂するグラインドコア風な急展開は文句なしにカッコ良い。初期グラインドコアバンドを連想させる部分が多い。疾走パートがもっとあれば違った印象になっただろうが全体的にはやや地味な印象。
Soul Of A New Machine
- Martyr
- Leechmaster
- Scapegoat
- Crisis
- Crash Test
- Flesh Hold
- Lifeblind
- Scumgrief
- Natividad
- Big God / Raped Souls
- Arise Above Oppression
- Self Immolation
- Suffer Age
- W O E
- Desecrate
- Escape Confusion
- Manipulation
アメリカのデスメタル・インダストリアルメタルバンド Fear Factory の 1st『Soul of a New Machine』をレビュー。1992年リリース。
『Concrete』とほぼ同路線の1stフルアルバム。音は硬さと冷たさを増した。ズブッとした質感は薄まったもののまだまだデスメタル成分が多め。ブラストビートを使う曲も多数。特に後半はデスメタル色が強い。1990年代初頭の Napalm Death に近しいデスメタルスタイル。
ミドルテンポ中心でシンプルなリフはどれも似たり寄ったりで面白みはない。このバンドにとっては弦楽器も打楽器のようなものだろう。リフがリズムとユニゾンでビシバシ決まる小気味良さには無意識に頭と体が揺れ動いてしまう。
ミドル〜ファスト〜ブラスト〜クリーンボイスと持てる技を全て出し切った #7. "Lifeblind" がカッコ良い。本サイト的に言っておくと #12. "Self Immolation" のサビで聴ける冷たいフレーズが些とブラックメタル。
Demanufacture
- Demanufacture
- Self Bias Resistor
- Zero Signal
- Replica
- New Breed
- Dog Day Sunrise (Head of David cover)
- Body Hammer
- Flashpoint
- H-K (Hunter-Killer)
- Pisschrist
- A Therapy for Pain
アメリカのデスメタル・インダストリアルメタルバンド Fear Factory の 2nd『Demanufacture』をレビュー。1995年リリース。
Fear Factory といえばこれ。作風は前作『Soul Of A New Machine』譲りだが突き詰め方が桁違い。遥かに機械化が進んで血の香りのしない強烈な音をブチかましてくれる。
メタルに無垢な頃に出会った作品だが当時は Pantera 以上にハマったのを覚えている。Pantera が持つブルーズ臭さや気怠さ("Planet Caravan" が Black Sabbath の曲だとは知る由もなく)の無いダイレクトな音に叩きのめされたものだ。
"ダ" と "ガ" の中間くらいで鼻歌できるリズミックな打音も最高に刺激的。Burton C. Bell の歌はセクシーさも身につけ更に説得力を増した。冷たいシンセサイザーを背景にビシビシ決まる激音リズムは今聴いても気持ちが良い。個人的には F-ZERO(ゲーム)やトータル・リコール(シュワ映画)を思い出す世界観。
筆者のグルーブ系メタルバンドCDの手持ちは数えるほどしかないが其の手が聴きたくなった時には今だにコレを手に取る事が多い。前半の怒涛の攻めは圧巻。インダストリアル度合いを高める後半に少し緊張感が緩むので星 -0.5 しとこか。