CHRIST INVERSION Review
Christ Inversion
- Crucifucking the Possessed
- Prudent to the Thrones of God
- Obey the Will of Hell
- Lucifer Rise
- Enochian Tongues
- Chimes of Deafening Misery
- Inflamed with Prayer
- Godfall
アメリカのブラックメタルバンド Christ Inversion の『Christ Inversion』をレビュー。1994年の 1st デモ『Obey the Will of Hell』を収録した2008年の企画盤。Housecore Records からのCD化に伴い2曲が追加されている(Metallum)。
Christ Inversion は元 Pantera の Phil Anselmo がギターを弾くブラックメタルバンド。その他のメンバーは Down, Crowbar, Superjoint Ritual などアメリカ南部メタル界隈から。ボーカルは Necrophagia のドラマー(彼も南部出身)で血管がブチ切れそうなシャウトを聴かせる。
Phil Anselmo のブラックメタルプロジェクトというと Viking Crown があるがこちらはもっとデスメタルやグラインドコア寄りのブラックメタルをやっている。重くズブついたグラインドリフでドカドカと爆走しつつ唐突にキーボードがゴーン!と鳴り響く様は Archgoat を思い起こさせる。ウォー・ブラックメタルに近いスタイルである。音質は Viking Crown よりは断然良い。
不気味なキーボードの使い方は Viking Crown と共通。Hellhammer や Celtic Frost 譲りの病的な雰囲気を醸し出している。重く引き摺るようなリフ使いは南部の手練れが揃っている故だろう。特に速度を落とした部分では出自が色濃く出る。完全にはブラックメタルには成り切れていない所が個性的で面白い。
バンドは解散済み。