AT THE GATES Review
The Red In The Sky Is Ours
- The Red in the Sky Is Ours / The Season to Come
- Kingdom Gone
- Through Gardens of Grief
- Within
- Windows
- Claws of Laughter Dead
- Neverwhere
- The Scar
- Night Comes, Blood Black
- City of Screaming Statues
スウェーデンのデスメタルバンド At the Gates の 1st『The Red in the Sky Is Ours』をレビュー。1992年リリース。
初期スウェディッシュ・デスメタルの名作の1つ。激烈リフをこねくり回して複雑に展開させる目まぐるしいデスメタルが魅力の作品である。唐突すぎるとも言える曲構成は現代ならテクニカル・デスとかプログレッシブ・デスとか言われそうな内容。メロディアスな要素はこの時点で多く有る。
音質は低音が空ぶっていてやや迫力不足。刻むよりトレモロリフが中心でそこには暗い哀感が潜んでいる。初期の In Flames や Dark Tranquility などは Dissection と並んで参考にしただろうと思う。バイオリンの存在は味付け程度で他楽器陣と絡んでどうこうする場面は少ない。
捻れたようなリフは Mercyful Fate、演劇的な曲構成は Genesis を想わせる特異なもの。このバンドには1995年の 4th『Slaughter of the Soul』から入る場合が多数だと思うがド直球デスラッシュの『Slaughter of the Soul』とは違う視点で聴かないと苦しいだろう。
攻撃的かつ複雑怪奇な音に魅せられる。メロディック・デスメタルというジャンル確立前のメロディックなデスメタルの名作。筆者は悲壮感漂う #5. "Windows"、なんでも有りな展開過ぎる #3. "Through Gardens Of Grief", #4. "Within" がお気に入り。
With Fear I Kiss The Burning Darkness
- Beyond Good and Evil
- Raped by the Light of Christ
- The Break of Autumn
- Non-Divine
- Primal Breath
- The Architects
- Stardrowned
- Blood of the Sunsets
- The Burning Darkness
- Ever-Opening Flower
- Through the Red
スウェーデンのデスメタルバンド At the Gates の 2nd『With Fear I Kiss the Burning Darkness』をレビュー。1993年リリース。レビューするのは 1st『The Red In The Sky Is Ours』との 2 in 1CDで再発されたお得な1995年 Peaceville 盤。
内容は前作 1st とほぼ同じ。曲展開は相変わらずの目まぐるしさ。絡み合うようにそれぞれ旋律を紡ぐ2本のギターは更に複雑さを増した気がする。前作より低音が補填されずっしり感が3割増しといった感じ。ストップ & ゴーの多い曲展開のため一概には言えないのだが前作の方が速度感があるように思う。殆ど忘れかけていたがバイオリンが消えた。
前作と似た作品ではあるがあまりに混沌とした魔術的な曲構成に本作は少し疲れる。わかりやすい刺激度は前作の方が高い。増した重量感以上に精神的に重く感じる作品である。
#7. "Stardrowned"、#11. "Through the Red" あたりのデスメタリックな刻みで獰猛さを出す曲はやはりカッコ良い。前作が好みであれば本作も合わせてどうぞ。
Terminal Spirit Disease
- The Swarm
- Terminal Spirit Disease
- And the World Returned
- Forever Blind
- The Fevered Circle
- The Beautiful Wound
- All Life Ends (Live)
- The Burning Darkness (Live)
- Kingdom Gone (Live)
- Windows (Live)
- The Red in the Sky Is Ours / The Season to Come (Live)
- The Burning Darkness (Live)
スウェーデンのデスメタルバンド At the Gates の 3rd『Terminal Spirit Disease』をレビュー。1994年リリース。レビューするのは2003年のデジパック、リマスター再発盤。ライブ音源が3曲追加収録されている。
新曲6曲(内1曲がインスト)+ ライブ音源で構成された 3rd フルアルバム。ギターの片割れが Alf Svensson から Martin Larsson に交代。作曲の主導権が Björler 兄弟に移った事で前作までとは違った作風に変化している。
前作までの忙しない曲展開が抑えられてスリム化が進んだ。メロディアス度が一気に増幅。当時のメロディック・デスメタルらしい憂いのある青臭いメロディの聴ける音になった。In Flames や Dark tranquility などこれを真似したバンドは多い。
リズムにはもう少し前のめり感が欲しい。と、感じるのは次の吹っ切れた感が凄すぎるからかもしれない。ストレートになったが次作ほどのキレはない。タイトルトラックの #2 や #4. "Forever Blind" は次作に入ってても違和感はないと思う。
メロディとスピードのバランスがメロディ側に大分傾いている作品。こういったバランス感覚を好む向きもあると思う。どの曲も良い曲でおすすめ。次作とは比較せずに聴くべし。