ABBATH Review
Abbath
- To War!
- Winterbane
- Ashes of the Damned
- Ocean of Wounds
- Count the Dead
- Fenrir Hunts
- Root of the Mountain
- Endless
- Riding on the Wind (Judas Priest cover)
- Nebular Ravens Winter (Immortal cover)
ノルウェーのブラックメタルバンド Abbath の 1st『Abbath』をレビュー。2016年リリース。レビューするのはボーナストラック2曲を含む日本盤。
ノルウェイジャンブラックメタルの重要バンドの一つ Immortal。その中心人物だった Abbath が自身の名を冠したバンドで復活。Immortal の方はメンバー間のゴタゴタで一旦解散。その後 Abbath 抜きで再始動。
そのあたりの事はそっとしておいてあげて本作の話。Immortal の『All Shall Fall』と同路線。順当に次に来るアルバムだなといった内容。音質はよりクリア。ギタートーンも精錬されたものになっていて Immortal よりも聴きやすい。
その反面 Immortal に比べ攻撃性や殺伐とした感じが減退。ブラックメタルではあるが全体的にメロディを廃し厳粛な雰囲気を重視したような作風になっていて吹っ切れなさを感じるのも確か。
その中で #6. "Fenrir Hunts" が獰猛な爆走ブラックメタルで一気に目が覚める。ラストの "Endless" も中々カッコ良い。本編ではこの2曲が突出。
日本盤ボーナストラックの2曲は #9が Judas Priest "Riding on the Wind" のカバー。ギャグかと思っていたが意外とイケた。#10. "Nebular Ravens Winter" は Immortal『Blizzard Beasts』からの曲。
Outstrider
- Calm in Ire of Hurricane
- Bridge of Spasms
- The Artifex
- Harvest Pyre
- Land of Khem
- Outstrider
- Scythewinder
- Hecate
- Pace 'till Death (Bathory cover)
ノルウェーのブラックメタルバンド Abbath の2nd『Outstrider』をレビュー。レビューするのはボーナストラック1曲を含む日本盤。
メンバーを一新しての 2nd フルアルバム。事前情報で "オールドスクール・ブラックメタルに回帰した"、"NWOBHMやヴェノム、初期バソリー" などと聞いていたので結構期待しつつ購入した作品。
原点回帰的な意見はあながち間違ってはいない。ブラックメタルでありつつ色々試してみました的な作品だった前作『Abbath』より攻撃性を押し出した内容になっている。前作の煮えきれなさを払拭するかのように疾走曲が多く収録されているのは嬉しい。音質は相変わらずクリアで前作と変わりない。特徴的なギタートーンとイガイガ声ボーカルも健在でこれだけで Abbath の音になるから凄い。
新ギタリストの Ole André Farstad のギターワークが目立っていて派手なソロを要所でキメてくる。これは前作にはなかった要素で曲にキレとダイナミズムを与えている。80年代風味はこのギターに負う所が大きいかもしれない。
原点回帰も良し、攻撃性を取り戻したのもギターワークも◯。だがパッとしない曲ばかりなのがツラい。聴き終わった後にどの曲も殆ど印象に残っていない。Abbath なしで始動した新生 Immortal の『Northern Chaos Gods』もそうだったがリフに魅力を感じない。ミドルテンポだと邪悪で荘厳な雰囲気を醸すが走り出すとそういった雰囲気が薄まってしまっている。悪くないね〜ぐらいの作品。
先行リリースされた "Harvest Pyre" がミドルテンポで攻めつつ獰猛さを演出した良曲で結局これが1番良い曲だったなという印象。