BLACK ABYSS Review

マレーシアのブラックメタルバンド Black Abyss の『Funeral Christ』をレビュー。2016年リリースの1stフルアルバム。

これも先にレビューした次作EP『The Devilish Creation』と同様に送られてきたモノ。経緯は『The Devilish Creation』のレビューを参照。

作風はEP『The Devilish Creation』とほぼ同じのプリミティブなブラックメタル。こちらはモロに Mayhem の1st『De Mysteriis Dom Sathanas』を想起させる王道ブラックメタル路線。ド直球のギターリフに執拗に叩き込まれるドラム、不気味に蠢くベース音と中々のコピーっぷりである。 短めの曲を揃えていてトータル30分というのも聴きやすくて良い。

そりゃあ Mayhem 程の不穏さや禍々しさはないし、疾走感も足りないし編曲不足なのはEPと同じだけどこれはこれで悪くない。そこはかとない懐かしさに暫く聴き入ってしまう。昔好きだったスーパーファミコンのソフトを見つけて懐かしさの余り熱中してしまうような感覚（？）か。懐かしさが薄れると途端に詰まらなくなるけどね。

Bathory の "Hades" のカバーを収録。原曲のキャッチーさが微塵もない爆裂ブラックメタルになっていてサビまで Bathory の曲だと気が付かなかった。

Metallum によるとマレーシアにも多くのブラックメタルバンドが存在するようだ。マレーシアのブラックメタルバンドは IV V I IV とこのバンドしか知らないがちょっと興味が湧いてきた。

マレーシアのブラックメタルバンド Black Abyss の2019年EP『The Devilish Creation』をレビュー。

同じマレーシアのブラックメタルバンド IV V I IV の『Kabus』を Bandcampで注文したら同封されていたCD。もちろん初耳のバンド。日本での知名度はほぼ0だと思うが、タダでもらうのも悪いのでレビューして紹介する。

Metallumによると2003年に結成されたマレーシアのシャー・アラム（Shah Alam）という街を拠点にする4人組ブラックメタルバンド。

音は典型的なプリミティブ・ブラックメタルバンド。抑揚のないリフをギャリギャリ弾き倒して無彩色の世界を描く初期の Dark Throne、Buzum タイプの音楽性。個性は無いが 2〜3分台のコンパクトな曲ばかりで聴き易く、時折メロディックなフレーズを挟んで工夫を凝らそうとしているのが窺える。終わりが素っ気無い曲が多いがそこを改善するだけで印象が変わりそう。

音質、演奏共に地下バンド的な酷さは無い。素材は悪くないのでアレンジ力を磨いて曲で勝負できるようになって欲しい。3曲目 "Blackmoon" は結構良い曲だと思う。日本での知名度が "永遠の0" にならないように願うばかり。