GATES OF TYRANT Review

チリのブラックメタルバンド Gates of Tyrant の 1st『Vortex Towards Death』をレビュー。2020年リリース。

ボーカルと宗教的メロディ感が初期 Deathspell Omega を想わせるメロディック・ブラックメタル。ほぼ全編疾走しながら荘厳さを感じさせるメロディーを振り撒く音楽性。音質はクリア。不穏さや邪悪さは薄い。非常にしっかりした作りの南米産らしからぬ音楽性のバンドである。得も言われぬ寂寥感に包まれるメロディの数々が素晴らしい。

Deathspall Omega、Mayhem、Dark Funeral あたりの影響を感じさせるフレーズが其処彼処に出てくる。要所でアトモスフェリック・ブラックメタル調のスケール感も感じる。リズムは軽く単調だが印象的なフレーズと劇的な曲展開で飽きさせない。6曲35分というコンパクトさも潔くブラックメタル初心者にも甘受されそうな聴きやすさがある。非甘党メロブラ愛好家の方には激おすすめしたい。